鏡面セラミックタイルはなぜ滑りやすいのか

ドラッグストアやスーパーマーケット、コンビニの床には、清掃のしやすさと見た目の美しさから鏡面仕上げのセラミックタイルが多く採用されています。しかし、鏡面セラミックタイルは表面が非常に滑らかなため、雨の日にお客様の靴底に付着した雨水が持ち込まれると、極めて滑りやすい状態になります。

特に入口付近から売り場にかけての動線は、濡れた靴で歩く人が集中するため、薄い水膜が広範囲に広がり、転倒事故のリスクが高まります。

近年増加する中国製セラミックタイルの特性

近年、コスト面の優位性から中国製のセラミックタイルが多くの店舗で採用されています。中国製セラミックタイルは鏡面仕上げにするための研磨コストをカットするために、シリコーン樹脂コーティングを塗布して鏡面にしています。

安くなった反面「濡れると滑りやすい」「静電気を帯電しやすい」というデメリットがあります。また、コーティングが滑り止め液剤を弾いてしまうため、従来の滑り止め液剤では施工ができないという問題があります。

セラミックタイル特許防滑工法(ME工法)による解決

鏡面セラミックタイル専用に開発された、日本唯一の防滑特許技術です。約2年間で日本全国のドラッグストア・コンビニ・スーパーなど1,200店舗以上に施工導入されています。

特許工法

セラミックタイル専用防滑工法の特徴

美観の変化なし ─ 光沢維持率99%。施工前後の変化が目視では分からない。コーティング塗布ではないため、台車通行時の劣化や汚れやすさの心配がない

日本で唯一の工法 ─ 中国製セラミックタイルを施工できるのはこの工法のみ。セーフティグループだけが施工可能な特許技術

水洗浄・養生が不要 ─ 塗布と拭き上げで完了するため、緊急時には営業中でも施工が可能

施工中でも通行可能 ─ 液剤塗布した床面を歩行しても問題なく、コーンなどによる封鎖の必要がない

超短時間で完了 ─ 本磨きセラミックタイル100㎡なら約30分で施工完了

静電気を大幅に抑制 ─ 床材の微細な隙間を広げることで静電気の帯電を抑制し、ホコリの付着や黒ずみも抑える

従来工法では施工不可能だった中国製セラミックタイルに対応

中国製鏡面セラミックタイルは、表面のシリコーン系樹脂コーティングが施工液剤を弾くため、従来の滑り止め工法では対応できませんでした。本工法はコーティング層を通過できる特殊液剤を使用し、10回施工しても光沢を損なわず、数十年間にわたり美観と安全性を維持します。施工後は静電気抑制効果も得られます。

マット調セラミックタイルも経年で滑りやすくなる

「うちの床は鏡面ではなくマット調(光沢がない)だから大丈夫」と考える方も多いですが、マット調のタイルも経年による汚れの蓄積よって滑りやすくなります。

滑りやすくなる原因

  • 排気ガス:駐車場に面した入口付近は、車の排気ガスに含まれる油分などがタイルに付着・蓄積する
  • コールタール:駐車場のアスファルトに含まれるコールタールが靴底に付着して店内に持ち込まれ、タイルに付着・蓄積する
  • ワックスの重ね塗り:定期的なワックス掛けによって表面の微細な凹凸が埋められ、滑りやすい平滑面が形成される
  • 洗剤残留:日常清掃で使用する洗剤が完全に拭き取られず、タイルに残留する
注意

新築時は滑らなかったのに…という落とし穴

開店当初は滑らなかったマット調タイルが、数年後に転倒事故が発生するケースは少なくありません。排気ガスやコールタール、ワックスの蓄積は目に見えにくく、日常清掃では除去できないため、気づいたときには滑りやすい状態が常態化していることがあります。

よくある対策とその限界

滑り止めマットの設置

入口付近にマットを敷く対策は多くの店舗で行われていますが、マットが敷かれていないエリアは滑りやすいままです。また、マット自体が濡れて飽和状態になると効果がなくなり、マットの端につまずく二次的なリスクも発生します。

市販の滑り止め液剤

販売されている汎用の滑り止め液剤は、セラミックタイルの種類や表面状態に対応していないことが多く、効果が不十分であったり、タイルを傷めて光沢がなくなったり汚れやすくなってしまいます。前述の通り、中国製セラミックタイルの施工はできません。

床材の張り替え

滑りにくい床材への張り替えは根本的な解決ですが、営業中の店舗で全面張り替えを行うことは現実的ではありません。工事期間中の営業停止による売上損失も大きな問題となります。

骨材樹脂コーティング工法

床面に骨材(砂状の粒子)を含んだ樹脂を塗布する工法ですが、以下のような問題があります。

  • 骨材が剥がれると逆に危険:経年や摩耗により骨材が剥がれると、残った樹脂層が非常に滑りやすい状態になり、施工前より危険になる場合がある
  • 台車の通行で剥がれやすい:ドラッグストアやスーパーでは商品補充用の台車が頻繁に通るため、コーティングがすぐに剥がれてくる
  • 汚れやすくなる:骨材の凹凸に汚れが入り込みやすく、日常清掃では除去しにくいため、床面が黒ずんで不衛生な印象を与える

滑り止め業者に依頼する

滑り止め専門の業者に依頼する方法もありますが、セラミックタイルの防滑施工には専門的な知識と技術が求められます。床材に適合しない溶剤を使用されると、タイルの光沢が失われたり、汚れやすくなるなどの大きな問題が発生し、最悪の場合は張替えが必要になります。特に中国製セラミックタイルは従来の滑り止め液剤では施工ができないため、対応できる業者は他にありません。

工法の選び方 ─ 失敗しないためのポイント

セラミックタイルの防滑施工は、工法の選び方によって効果が大きく異なります。施工を検討する際に確認すべきポイントを紹介します。

1. 床材に「適合」した溶剤を使用しているか

セラミックタイルは製品によって素材の組成構造が全く異なります。汎用の数種類の溶剤ですべてのタイルに対応する工法では、効果が出ない、もしくはタイルを傷めるリスクがあります。タイルの種類(吸水性、基本成分、組成構造、粒子形)に適合した溶剤で施工する工法を選ぶことが重要です。

2. 美観を維持できるか

店舗の床は清潔感や印象に直結するため、施工後の見た目の変化は重要な問題です。施工後に白っぽくなったり、ムラが出るような工法は避けるべきです。

3. 営業を止めずに施工できるか

ドラッグストアやスーパー、コンビニは営業時間が長く、施工のために長時間閉店することは難しいのが現実です。閉店後や営業中の短時間で施工でき、施工直後から使用可能な工法が理想的です。

4. テスト施工が可能か

必ずテスト施工を依頼し、効果と美観への影響を確認してください。信頼できる施工業者は、本施工の前にテスト施工を実施し、効果と美観への影響を確認します。テスト施工なしに全面施工を提案する業者には注意が必要です。

店舗管理者が取るべきステップ

  1. 現状の確認:雨天時に入口付近や主要動線の滑りやすさを確認する
  2. 床材の種類を把握:使用しているセラミックタイルのメーカーや品番を確認する(不明な場合は施工業者に写真を送るなど確認を依頼)
  3. 専門業者への相談:床材に適合した工法で施工できる業者を選定する
  4. テスト施工の実施:目立たない範囲でテスト施工を行い、効果と美観を確認する
  5. 本施工の実施:テスト施工の結果を確認した上で本施工を行う