『転倒事故の防止対策を怠れば、賠償責任を負わされます!』

転倒事故判例:裁判所内での転倒事故に105万円の支払い命令

 大阪地裁堺支部で、視力傷害者の男性が階段で転倒し、肘の骨を骨折した。

判決   :
原告(転倒者)勝訴
判決理由 :
 点字ブロックや滑り止めがあれば転倒することはなかった。公共性の高い建物には利用頻度にかかわらず安全確保の設備を設けるべきであり、こうした整備は努力目標ではなく、法的な義務であるとして、裁判所自らの瑕疵を認定し、裁判所を管理する国に対して105万円の支払いを命じた。
(大阪地裁 2004年12月22日)

転倒事故判例:ウインズ渋谷内での転倒事故に、264万円支払い命令

 ウィンズ渋谷で男性が転倒し、腰と左ひざをねん挫した。

判決   :
原告(転倒者)勝訴
判決理由 :
 転倒した場所は御影石が光を反射するほど磨かれ、傾斜している上、当時雨でぬれていた。歩行者が転倒する可能性は無視し難いものがあり、設置と管理には欠陥があったと判断しJRAに264万円の支払いを命じた。
(東京地裁 2006年9月27日)

転倒事故判例:プールの廊下で転倒事故、施設側は防滑対策を行っていたが原告勝訴
 被告は施設各所に足拭きマットを置き、踊り場には体を拭くように促す注意書きを掲示。さらにプール・シャワー利用後、水着が水分を相当含んだ状態で利用者が通行することがあり、廊下床面に水滴が飛散し滑りやすくなることから、係員は1時間おきに清掃を行っていた。しかし事故は起きてしまった。

判決   :
原告(転倒者)勝訴
判決理由 :
 転倒したコンクリート壁の端付近の箇所は、利用者の体から落ちた水滴が集まって小さな水たまりが出来やすく、利用者は素足で本件廊下を通行するので転倒し受傷する危険性があったこと、被告の係員は1時間おきに清掃を行っていたが、清掃前には危険を防止する措置がとられてなかったことから、本件施設には設置または保存の瑕疵があったとの判決を下した。

 転倒事故判例:足拭きマットが滑り転倒、みずほ銀行に92万円の支払い命令
 みずほ銀行の支店出入り口にあった足拭きマットが滑り転倒、頭や腰を打撲するなどの怪我をした。

判決   :
原告(転倒者)勝訴
判決理由 :
 マットの裏側が濡れており、足を乗せたことで滑ったのが原因。客の安全を確保する必要があるのに、管理を業者に任せきりにしていたと銀行側の注意義務違反を認めた。
(東京高裁2014年3月14日)

 その他、スーパーマーケットの食材売り場、ファミリーレストランのフロア、薬局店舗内、自動車販売店のタイル床面、庁舎内の職員食堂、ホテル・旅館の浴場など、全国で転倒事故の訴訟・裁判が行われています。
バリアフリー新法が義務化されている現在では、安全管理上、滑り止めは避けては通れない安全対策です。