お風呂の床の滑りについて・・・

今回は、お風呂の床について・・・

なぜ滑るのか? なぜ滑りが止まるのか? どうすれば床の脂分を除去出来るのか?など、基本的な原理を知らない(解からない)で施工している業者さんが多くないですか?

お客様にもちゃんと説明出来ていない(笑)

そんなン聞いてない。そんな説明なかった。すぐに滑り出した等行く先々で、お聞きしますね・・・

 介護施設、ホテル、銭湯、スーパー銭湯等々のお風呂の床が滑る。一度他社で滑り止め施工したがすぐにすべりだした。などの依頼が増えています。

 施工させて頂いた施設様のほとんどのお風呂の床の滑り方が酷い状況の所が多いです。特に高齢者の方が多く使用されているお風呂の床は単に滑るとか、ぬるぬる滑るとかではなく、乾いている時はべたべたしており濡れるとズルズル滑る床に変身します。

 この床の滑りかたの違う理由は日常清掃等もあるが、1番の理由はお風呂を使用される年齢によるものが大きいです。

例えば、20~30代、40~50.代、60代以上など年齢層によって違いがあり、今まで施工させて頂いた施設様でのヒアリングや統計、検証の結果でわかった事は、身体から出る脂の量の違いのあるが、最も違うのは脂の濃度の問題だと思います。

20代~50代ぐらいの年齢層の方は、たくさん汗をかきますが水分の摂取量も多いため汗と一緒に出てくる脂分(体指)も濃度が薄くサラサラとしています。60代以上の年齢層の方は、水分の摂取量も少なく汗もあまり欠きません。その為、脂分(体指)が凝縮され汗と一緒に出てくるので非常に濃い脂です。それが、同じ年数同じように蓄積すると床の感じや滑りかたなどに違いが生まれてきます。

その一例が

蓄積された体脂が溢れ出てヌルヌルの状態に

浴場施工については弊社独自の手法があります。
手順は次のとおり。

  1. 特殊溶剤塗布(一般に販売していないレベルの溶剤です)(
  2. 二次溶剤塗布(特殊溶剤に重ね塗りしていきます)
  3. 中和剤塗布 (中和剤の作用によりタイル内部の脂分汚れを少しでも多く外に出します)
  4. 中和洗浄  (弊社の○○洗剤使用。今回はpH○○レベルにして使用)
  5. 洗い流す  (洗い流すのにも、コツがあります)

体脂でヌルヌルのタイル

以上の手順で施工後、床面をすると、床面がタイル内部(毛細管)から蓄積された体脂が溢れ出てヌルヌルの状態となりました。

 べたべた感の床では、あふれ出てくる体指を○○洗剤で中和分解して洗い流し、それを繰り返し行うことにより床のべたつき感が無くなります。1回、2回の洗浄では滑りは止まっているが、べたつき感が残ったままでラードの上を歩いているような感じです

 脂分(体指)を中和分解洗浄するには、床に残留している脂分のPH値とそれを中和分解する為の洗剤がどのくらいのPH値が必要なのか知らないと脂分が残留し、すぐに滑り出す事になります。

なんでもいい、滑りは止まっているでしょではダメです。

 滑りを止めて、それを少しでも長く維持できるように最初にきっちり施工し、その後のメンテナンスをメンテナンスマニュアルを作成して渡すだけでなく、維持できるように弊社は一緒にメンテナンスもさせて頂いております。

 お客様が安全安心でご利用され、施設様も的確なメンテナンスで長く維持出来る様に、日々研鑽に励んでいます。

床内部への汚れの滞留

どんな床でも微細な隙間が存在します。隙間が広い・多い床材は「吸水性が高い」(大理石など)、逆に隙間が狭い・少ない床材は「吸水性が低い」(セラミックタイルなど)と表現されます。吸水性が高い床材は滑りにくく、吸水性が低い床材は滑りやすい傾向にあります

 防滑施工によって、微細な隙間、穴を空けるなどの化学反応を経た床材は、施工前より水や空気の通りがよくなっています。そこに目に見えないミクロレベルの埃、油脂などが、隙間に入っていきます。滑りはそれらが滞留し目詰まりを起こすことで起こります