介護事故での法的責任

入浴中の事故により介護事業者が負う責任で、問題となるのは民事上の責任、損害賠償責任ですよね。

介護サービスを提供するにあたって、介護事業者は利用者に対する安全配慮義務を負い、事故の危険を予測できる状況において事故回避のための措置を取らなければ義務を尽くさなかったとされているようです。

もし、事故が安全配慮義務を尽くさなかったことが原因で起こったときは、事業者が利用者に生じた損害についての賠償責任を負うみたいです。(民法第415条)

また、安全配慮義務を怠った行為があると介護を担当する従業員の過失と評価されて不法行為(民法第709条)が成立し、その使用者である事業者が使用者責任に基づく損害賠償責任を負うこともあります(民法第715条)。

民法第717条の条文で工作物の設置又は保存に瑕疵があることによって他人に損害を生じたときは、その工作物の占有者は、被害者に対してその損害を賠償する責任を負う。ただし、占有者が損害の発生を防止するのに必要な注意をしたときは、所有者がその損害を賠償しなければならないとある。

入浴中に滑って転倒事故が起きてしまうと、床が滑りやすい状態を放置している(対策をしていない)と裁判で民法第717条と土地の工作物等の占有者及び所有者の責任を問われる場合があるようです。

滑る床等は、安全の確保、衛生的にも滑り止め工事等の対策をされた方がいいと思います。