床材に合った施工でなければ意味がない

防滑施工において、多くのお客様から「もっと強く滑りを止めてほしい」「グリップ力をMAXにしてほしい」というご要望をいただくことがあります。しかし、床材にも人間と同じように特性や性格のようなものがあり、「合う・合わない」が存在します

組成構造をよく理解し、床材に合った溶剤を適正に反応させなければ、美観や持続性といった面にはっきりと影響が出てきます。強くすること自体は決して難しいことではありません。しかし、それが本当に重要なことでしょうか。

床材に合ったものを使用し安全レベルをクリアすれば、滑りにくくなるわけですから、無駄に強く止めたりグリップをMAXレベルにしたりする必要はないのです。

完全オーダーメイド溶剤という考え方

私たちが床材ごとに調合した完全オーダーメイド溶剤を製造している理由がここにあります。既製品の画一的な液剤では、数千種類に及ぶ床材すべてに最適な施工を行うことは不可能です。

タイルや石材は、製造メーカーや製造時期、産地によって組成が異なります。同じように見える床材でも、表面のコーティング、気孔率、鉱物成分が異なるため、それぞれに最適な溶剤の調合が必要になるのです。

安全レベルとは数値ではなく「人間の官能」

私たちが考える安全レベルとは、数値ではありません。人間が感じる官能です。

歩行する人が「滑らない」と判断すれば滑らないレベルですし、「滑る」と判断すれば滑るのです。非常にシンプルかつ正確な判断基準だと考えています。

もちろん目安としての数値は必要です。そのため、独自の理論で開発したPPDスリップメーターを使用し、施工前後の静摩擦係数を計測しています。しかし、この数値は「基準」ではなく「目安」として使用するものです。

数値を目安として使用する理由

数値を基準化し、数値による安全の有無を判断する考え方とは、私たちの理論は根本的に異なります。仮に数値が「安全レベル」と示した場合でも、実際に歩行する人が「滑る」と感じたなら、その数値に意味はあるでしょうか。

判断するのは機械ではなく人間です。歩行する人々です。だからこそ、滑る滑らないの判断には、数値ではなく人間が感じる官能が最も重要であり、その補足として目安の数値が必要になるのだと考えます。

他社との技術の差

この考え方の違いこそが、他社との技術の差に直結します。考え方が材料選定や施工方法に大きく反映されるからです。

「酸だから危険」「薬品で焼く」といった認識は、画一的な理論で施工している業者の技術の話であって、完全オーダーメイドでME工法を採用する私たちの技術とはフィールドが異なります。

レモンや酢によっては起こるがコーラによっては起こらない——この違いがわからない限り、技術の差は埋まらないばかりか、差が開く一方です。

滑り止め工法を採用される責任者の方にも、この技術の差を理解した上でご判断いただきたいと考えています。