これって何年持つの?

必ずいただく質問です。

「10年は持ちます」と回答できればいいのですが、軽々しく年数を明言することはできません。滑り止め効果が続く長さは、施設の使用状況、メンテナンス状況、敷設状況などの条件により変わります。

ここでは、滑り止め効果の持続について説明します。

 

滑り止め施工後、滑りが発生する原因

●床内部への汚れの滞留

 

どんな床材でも微細な隙間が存在します。隙間が広い・多い床材は「吸水性が高い」(大理石・十和田石など)、逆に隙間が狭い・少ない床材は「吸水性が低い」(セラミックタイルなど)と表現されます。

吸水性が高い床材は滑りにくく、吸水性が低い床材は滑りやすい傾向にあります。

滑り止め施工により、床材に元々ある微細な隙間を広げることで、施工前より水・空気などの通りよくなります。その隙間に、目に見えないミクロレベルの埃、油脂などが入り、蓄積します。防滑施工後の滑りは、それらが滞留し目詰まりすることが原因で起こります。

 

不十分なメンテンナンス

床内部への汚れの滞留を引き起こす主な原因は、メンテナンスにあります。

この現場に適した洗剤は?この初歩的な質問に答えられないと、防滑効果を維持することは難しいと言えます。床材、環境、状況に合ったメンテナンスは、効果持続の生命線です。

 

施工後に重要なこと

  • 現場の床材や汚れの種類を知る
  • 使用する適正な洗剤(種類)、濃度(㏗)を知る
  • 清掃頻度・方法、日常・定期清掃のルーティーン化

これらは滑り止め施工後にとても重要ですが、意外とできていないケースが多いです。

防滑性能の維持するためにやる事はとてもシンプル。継続が大切です。

「10年もちます!」と言いきりたいところですが…施工後はメンテナンスにより何年持たせるかが重要です。

防滑施工において、お客様の安全・安心が1番重要です。同時に、長期間効果を維持することも重要となります。

効果を何年維持できるかは、メンテナンスの状況によって大きく変わりますですので、施工時にしっかりとした打ち合わせをさせていただき、適切なメンテナンス方法をご提案させていただきます。

防滑施工後は、「滑り止め効果をどう持続させるか?」が重要になります。滑り止め業者の経験と知識を生かしたメンテナンス方法をお伝えいたしますので、ぜひご活用ください。

 

●汚れの種類、床材・環境に合った洗剤の使い分けを知る。

例えば、浴場施設とショッピングモールでは、除去すべき油脂成分が違います。よって、使用する洗剤の㏗のレベルも大きく変化させる必要があります。

床材の吸水性を始めとするそれぞれの特徴・特性によっても、床内に滞留する油脂、汚れの量も変わります。まず床材を知る。そして、現場に付着・滞留する汚れを種類を知る必要があります。

そのためには、防滑処理したスペースだけでなく、汚れの持込要因となる周辺環境(タイル、アスファルト、コンクリート、インターロッキング、植栽など)も考慮に入れることになります。また、モルタルの灰汁など、アルカリ性物質が発生したり、滞留した油脂成分が酸化したりします。なので、使う洗剤も酸系/アルカリ系と使い分けが必要になります。

集客施設やマンションなどは、歩行頻度や周辺部に樹木等があるか否か、晴天時、雨天時によっても違いが出てきます。

メンテナンスマニュアルをつくりPDCAサイクルを回す

弊社のメンテンナンスマニュアルに準じた多くの現場では、防滑性能5〜10年の維持実績があります

これらの情報を元に、弊社では防滑施工後のメンテナンスマニュアルを発行しています。

グリップ力を低下させる原因、発生する汚れの種類、具体的な洗剤、メンテナンス頻度・方法まで、その現場・体制に合ったマニュアルを作成・提案し、お客様と共に維持に努めています。