温泉浴場の汚れと滑り・・・

温泉浴場の汚れは複雑怪奇!!

 問合せ(SOS)で最も多いのが、温泉浴場の汚れの問題です。どうしても除去できないと言うのです。  そこで必要になるのが、温泉分析書ですね・・・

従来、ほとんどどの業者が無関心であった世界かもしれませんね。

 温泉分析書には、陽イオン(+イオン)、陰イオン(-イオン)、遊離成分(非解離成分、溶存ガス成分)の1kg中の各成分、分量及び組成が明記されています。イオン結合が汚れに大きな影響を及ぼすことは言うまでもありません。+イオンの何と-イオンの何がくっつくのかは、其々の分量、組成によって変化するので温泉の現場毎に違います。

 それに、定期投入される塩素、入浴者の体脂肪水垢、カビ等の残留物がブレンドされてでき上がった汚れが多いのは、私も現場でよく見かけます。さらに、そこへ非解離成分の分量が多い温泉となると、そりゃもう大変の世界となります。

白いスケールを有効的に洗浄除去するには?

温泉分析書の遊離成分(非解離成分)が各成分を含めた分量の10%程度までを基準に記してみます。

 白いスケールが発生しやすいのは、+のナトリウムイオンと-の塩素イオンが、分析量の大半を含有する温泉に多く見られます。前述したように+イオンと-イオンは、その分量に応じ結合します。          

 それが床面に残留し、水分が蒸散し、それを日々繰り返していくとスケールとなり目につくようになります。ましてや多量のナトリウムイオンと塩素イオンですから、白っぽく目立ちますよね。基本的な知識がメンテナンス業者にあれば、日常の洗浄作業の中で解決できることで、白っぽく残留することはないと思います。除去作業としてはこの場合、PH1レベルの酸性溶剤が必要です。

 

中和作業の方法

ノウハウの1つですが3~5%の中和剤をパットにつけ床面に擦るように塗布していきます。下地には酸性成分が残留していますから即、中和反応をし炭酸ガスが発生します。(この中和剤を使う理由は?)ただし、中和剤を塗布したまま放置していると、せっかく床から剥がれた汚れは床に吸収されてしまうので、次からの作業は追っかけ迅速に・・・

 

タイルを張り替えた方が安く付く???

 スケール除去の見積もりを出すと、エー高いナー、と云われるこよは止む得ないとしても、タイルを張り替えた方がマシとか張り替えた方が安いとか、管理会社やゼネコンはよく口にします。

 その時私がいつも思うことは、この人達ホンマにマジメに仕事しとんのかいナ。仕事知っとんのかー。現場を知らない能力のない奴が高いとか安いとかいうとんのかいナ。ホンマいいかげんにしいや。等々云いたくなります(過去、2~3回云った経緯があり、十二分に反省しました)。

 タイルを新設する時と、張替えの時の作業は大きく異なります。張替えするためには、撤去工事、新たな防水工事等、別なコストが発生するばかりか、店舗においては、休業を強いられる訳ですから、大きな損失が発生します。

ですから、簡単に張り替えた方が云々と言う担当者は、本当に能力を疑うことに・・・。スケール除去は場合によっては、本当に体力と気力を必要とします。見積もりはスケールの点在状況、スケール成分の違いによっても大きく変化します。私が皆さんに言いたいのは、大変な作業にはそれなりの報酬があってしかるべき、と言うことです。頑張ってください。