酸性温泉の床の滑り止め施工
最近弊社が施工した広島県の温泉ですが、㏗6.1の酸性温泉でした。
床は、体脂肪(動物性油脂)やシャンプー・リンスカスやその他汚れが残留しており、足の裏がベタベタする状況で普通に歩くと滑って転倒するかと思うくらい危ない状態でした。
この温泉では、通常施工している施工方法では滑りを止める事が出来ません。なぜかと言うと温泉の成分が酸性である事が要因です。一般的に多いのは、アルカリ性の温泉です。温泉・施設・床材を加味し適正溶剤で滑り止めを施工していますが、酸性成分の温泉ではそうはいきません。
施工溶剤は酸系の溶剤なので、酸性温泉の床は酸性になっており酸系の溶剤を塗布しても、酸と酸なので延ばすだけで根本的に滑りが止まる解決にはなりません。この温泉には、ここに合った特別の適正な溶剤を製造して施工時には溶剤を塗布後、タイル内の隙間を拡げる為の反応をたすける為にある程度の時間湿布して残留している体脂肪を少しでも多くだしやすくします。その後、洗剤で体脂肪を中和分解し体脂肪を除去します。しかも、1回の洗浄では体脂肪は除去できず、最低2回の洗浄が必要でした。
今回の温泉は酸性温泉ではありましたが、遊離成分及び-イオン濃度が少なかったので特別の適正な施工溶剤で施工可能でしたが、遊離成分・-イオン濃度が温泉分析量に対し○○%を超えていたら、もっと複雑かつ時間のかかる施工方法になっていました。
温泉の防滑施工に関しては、温泉分析書をしっかり確認しないと滑りを止める事は出来ないし、メンテナンスについても適正なアドバイスが出来ません。毎回同じようにはいかないので大変ですが、楽しいのも一つです。