民事裁判例から見る転倒事故の 施設類型別の特徴と施設管理者 の責任

3.転倒事故に関する損害賠償請求の認容率と事故の態様
3.1 転倒事故の損害賠償請求の根拠法と判決類型
転倒事故の損害賠償請求の裁判では、事故の起きた施設の設置・管理の瑕疵の有無、原告の

ヒューマンエラー等の過失の有無を裁判所が実況見分などの調査、審理を通じて事実を認定

し判決を下すが、その根拠になるのは民法第 709 条、同第 717 条、国家賠償法 2 条 1 項

などの不法行為法であり、建築基準法、同施行令、東京都条例なども根拠となる場合が見ら

れた。

判決には、認容判決、一部認容判決、棄却判決の 3 類型がある。認容判決は、施設の設置・

管理に瑕疵があり、原告には過失がなかったと判断して、裁判官が損害賠償額を査定して施設

管理者に支払いを命じる判決である。

一部認容判決は、施設の設置・管理に瑕疵があり、原告にも過失があったと判断して、民法第

722 条の過失相殺条項を適用し、裁判官が査定した損害賠償額から原告の過失相当分を減額

た賠償額の支払いを施設管理者に命じる判決である。棄却判決は、施設の設置・管理のいずれ

にも瑕疵がなく、施設管理者に責任はないと判断して、原告の損害賠償請求を認めない判決で

ある。
3.2 転倒事故に関する損害賠償請求の認容率
本研究が対象とした民事裁判例 38 件のうち、4 件が認容判決、17件が一部認容判決、17 件が

棄却判決であった。

認容率とは訴訟件数(民事裁判例件数)に占める認容件数と一部認容件数の合計件数の割合であり、

表1に示すとおり民事裁判例 38 件に対する認容率は 55%となる。認容率が持つ意味は、訴訟件

数のうち施設の設置・管理の瑕疵により原告の損害賠償請求が認められた割合を示すことにある。

施設類型別に見ると、最も訴訟件数が多かったのは商業施設 18 件、次いで道路施設 7 件、公共公

益施設 5 件と続いたが、認容率はいずれの施設類型を見ても 50〜60%の間にあった。

表1 転倒事故に関する損害賠償請求の認容率
施設類型 判決類型 訴訟件数 認容率 認容件数 一部認容件数 棄却件数

商業施設 1 件 9 件 8 件 18 件 55%

道路施設 0 件 4 件 3 件 7 件 57%

公共公益施設 1 件 2 件 2 件 5 件 60%

住宅施設 0 件 2 件 2 件 4 件 50%

医療介護施設 2 件 0 件 2 件 4 件 50%

合計 4 件 17 件 17 件 38 件 55%

3.3 施設類型別の転倒事故の事故態様(転倒パターン)

民事裁判例 38 件の転倒パターンは、表2に示すとおり、すべりとつまずきが 14 件と

最も多く、踏み外しが 5 件、外力が 3 件であった。

不明の 2 件は、原告の陳述に疑義があるもの(公共公益施設)、原告に事故態様の記憶が

ないもの(医療介護施設)が各 1 件あった。

表2 施設類型別の転倒事故の事故態様(転倒パターン)

施設類型 すべり つまずき 踏み外し 外力 不明 合計

商業施設 12 件 3 件 1 件 2 件 0 件 18 件

道路施設 0 件 5 件 2 件 0 件 0 件 7 件

公共公益施設 2 件 0 件 2 件 0 件 1 件 5 件

住宅施設 0 件 4 件 0 件 0 件 0 件 4 件

医療介護施設 0 件 2 件 0 件 1 件 1 件 4 件

合計 14 件 14 件 5 件 3 件 2 件 38 件

すべり事故の 86%が商業施設で発生し、すべり事故が商業施設で起きた転倒事故の 67%

を占めていた。

一方、つまずき事故は公共公益施設を除くすべての施設類型で発生しており、特に住宅施

設と道路施設ではつまずき事故が大半を占めていた。

外力事故には、作動した自動ドアや防火扉に押されて転倒した 2 件と、狭い入口に殺到し

た来店客に押されて転倒した 1 件があった。

4.高齢者に着目した施設類型別の転倒事故の特徴
4.1 施設類型別の転倒事故の特徴
(1)商業施設の転倒事故の特徴

商業施設の転倒事故 18 件を転倒パターンで分けると、すべり 12件、つまずき 3 件、踏み

外し 1 件、外力 2 件であった。

建物 7 階の食堂街通路で起きた高齢者が転倒した事案 No.1 は、裁判所が実況見分により、

床面の油汚れなど施設管理に瑕疵があり、普段から清掃が十分でなく、原告には過失はなか

ったと事実認定して、民法第 717 条により 2263 万円の賠償を命じた認容判決であった。

路に落ちていたアイスクリームに滑って高齢者が転倒した事案 No.4も、普段から清掃が

不十分で施設管理に瑕疵があり、原告にも不注意があったとして 863 万円の賠償を命じた

一部認容判決であった。

れら 2 件を含めて 7 件のすべり事故では施設の設置・管理の瑕疵により施設管理者が責任

を問われた。

また、スーパーが通路への車の進入を防止するために設置したバリケードの鉄パイプに来店客

がつまずいて転倒した事案 No.7 では、仮設のバリケードも民法 717 条の「土地工作物」であり、

施設の設置・管理に瑕疵があったとして、スーパーの施設管理責任を問われた。

レストランの自動ドアに押されて高齢者が転倒した事案 No.2 では、店舗施設の設置・管理に瑕

疵があったとしてレストランの施設管理責任を問われた。

このように商業施設で起きた転倒事故の各事案について、裁判所は実況見分、審理を通じて、施

設の設置・管理の瑕疵を判断して事実を認定し、施設管理者の責任を問い、責任がなければ原告

の損害賠償請求を棄却する判決としていた。

(2) 道路施設の転倒事故の特徴

道路施設の転倒事故 7 件を転倒パターンで分けると、つまずき 5件、踏み外し 2 件であった。

歩道中央部の鉄蓋が約 4 ㎝浮き上がった段差につまずいて転倒した事案 No.19 では、一審では道

路管理者が予算も要員もない状況での保守管理は無理だと主張したが、保全管理の瑕疵、道路管理

者の責任を問われて認容判決となり、二審では原告にも過失があったとして過失相殺し、約 800 万

円の賠償を命じる一部認容判決となった。

駅前のバス乗降場付近の道路にできた窪みにつまずいて転倒した事案 No.22 では、道路管理者が速

やかに補修すべきであったとして一部認容判決となった。

一方、原告が近くの横断歩道を渡らずに道路を横断して、容易に見分けられる駒止めにつまずいた事

案 No.23、園児を引率中に後ろ向き歩行をしていて段差を踏外した事案 No.25 などでは、裁判所は

実況見分と審理を通じて事実を認定し、施設管理者に施設の設置・管理に瑕疵がなかったこと、原告

に不注意以上の過失があったことなどを明らかにして、損害賠償請求を認めない棄却判決としていた。

3.転倒事故に関する損害賠償請求の認容率と事故の態様
3.1 転倒事故の損害賠償請求の根拠法と判決類型

転倒事故の損害賠償請求の裁判では、事故の起きた施設の設置・管理の瑕疵の有無、原告のヒューマン

エラー等の過失の有無を裁判所が実況見分などの調査、審理を通じて事実を認定し、判決を下すが、

の根拠になるのは民法第 709 条、同第 717 条、国家賠償法 2 条 1 項などの不法行為法であり、建築

基準法、同施行令、東京都条例なども根拠となる場合が見られた。

判決には、認容判決、一部認容判決、棄却判決の 3 類型がある。

容判決は、施設の設置・管理に瑕疵があり、原告には過失がなかったと判断して、裁判官が損害賠償

額を査定して施設管理者に支払いを命じる判決である。

一部認容判決は、施設の設置・管理に瑕疵があり、原告にも過失があったと判断して、民法第 722 条

の過失相殺条項を適用し、裁判官が査定した損害賠償額から原告の過失相当分を減額した賠償額の支払

いを施設管理者に命じる判決である。棄却判決は、施設の設置・管理のいずれにも瑕疵がなく、施設管

理者に責任はないと判断して、原告の損害賠償請求を認めない判決である。

3.2 転倒事故に関する損害賠償請求の認容率

本研究が対象とした民事裁判例 38 件のうち、4 件が認容判決、17件が一部認容判決、17 件が棄却判

決であった。

認容率とは訴訟件数(民事裁判例件数)に占める認容件数と一部認容件数の合計件数の割合であり、表1

に示すとおり民事裁判例 38 件に対する認容率は 55%となる。認容率が持つ意味は、訴訟件数のう

施設の設置・管理の瑕疵により原告の損害賠償請求が認められた割合を示すことにある。

施設類型別に見ると、最も訴訟件数が多かったのは商業施設 18 件、次いで道路施設 7 件、公共公益

施設 5 件と続いたが、認容率はいずれの施設類型を見ても 50〜60%の間にあった。

表1 転倒事故に関する損害賠償請求の認容率

施設類型 判決類型 訴訟件数 認容率 認容件数 一部認容件数 棄却件数

商業施設 1 件 9 件 8 件 18 件 55%

道路施設 0 件 4 件 3 件 7 件 57%

公共公益施設 1 件 2 件 2 件 5 件 60%

住宅施設 0 件 2 件 2 件 4 件 50%

医療介護施設 2 件 0 件 2 件 4 件 50%

合計 4 件 17 件 17 件 38 件 55%

3.3 施設類型別の転倒事故の事故態様(転倒パターン)

民事裁判例 38 件の転倒パターンは、表2に示すとおり、すべりとつまずきが 14 件と最も多く、踏

み外しが 5 件、外力が 3 件であった。

不明の 2 件は、原告の陳述に疑義があるもの(公共公益施設)、原告に事故態様の記憶がないもの(医

療介護施設)が各 1 件あった。

表2 施設類型別の転倒事故の事故態様(転倒パターン)

施設類型 すべり つまずき 踏み外し 外力 不明 合計

商業施設 12 件 3 件 1 件 2 件 0 件 18 件

道路施設 0 件 5 件 2 件 0 件 0 件 7 件

公共公益施設 2 件 0 件 2 件 0 件 1 件 5 件

住宅施設 0 件 4 件 0 件 0 件 0 件 4 件

医療介護施設 0 件 2 件 0 件 1 件 1 件 4 件

合計 14 件 14 件 5 件 3 件 2 件 38 件

すべり事故の 86%が商業施設で発生し、すべり事故が商業施設で起きた転倒事故の 67%を占めて

いた。一方、つまずき事故は公共公益施設を除くすべての施設類型で発生しており、特に住宅施設

と道路施設ではつまずき事故が大半を占めていた。

外力事故には、作動した自動ドアや防火扉に押されて転倒した 2 件と、狭い入口に殺到した来店客

に押されて転倒した 1 件があった。

4.高齢者に着目した施設類型別の転倒事故の特徴
4.1 施設類型別の転倒事故の特徴
(1)商業施設の転倒事故の特徴

商業施設の転倒事故 18 件を転倒パターンで分けると、すべり 12件、つまずき 3 件、踏み外し 1 件、

外力 2 件であった。

建物 7 階の食堂街通路で起きた高齢者が転倒した事案 No.1 は、裁判所が実況見分により、床面の油

汚れなど施設管理に瑕疵があり、普段から清掃が十分でなく、原告には過失はなかったと事実認定し

て、民法第 717 条により 2263 万円の賠償を命じた認容判決であった。

路に落ちていたアイスクリームに滑って高齢者が転倒した事案 No.4も、普段から清掃が不十分で施

設管理に瑕疵があり、原告にも不注意があったとして 863 万円の賠償を命じた一部認容判決であった。

れら 2 件を含めて 7 件のすべり事故では施設の設置・管理の瑕疵により施設管理者が責任を問われた。

また、スーパーが通路への車の進入を防止するために設置したバリケードの鉄パイプに来店客がつまず

いて転倒した事案 No.7 では、仮設のバリケードも民法 717 条の「土地工作物」であり、施設の設置・

管理に瑕疵があったとして、スーパーの施設管理責任を問われた。レストランの自動ドアに押されて

高齢者が転倒した事案 No.2 では、店舗施設の設置・管理に瑕疵があったとしてレストランの施設管

責任を問われた。

このように商業施設で起きた転倒事故の各事案について、裁判所は実況見分、審理を通じて、施設の

設置・管理の瑕疵を判断して事実を認定し、施設管理者の責任を問い、責任がなければ原告の損害賠

請求を棄却する判決としていた。

(2) 道路施設の転倒事故の特徴

道路施設の転倒事故 7 件を転倒パターンで分けると、つまずき 5件、踏み外し 2 件であった。

歩道中央部の鉄蓋が約 4 ㎝浮き上がった段差につまずいて転倒した事案 No.19 では、一審では道路管

理者が予算も要員もない状況での保守管理は無理だと主張したが、保全管理の瑕疵、道路管理者の責

を問われて認容判決となり、二審では原告にも過失があったとして過失相殺し、約 800 万円の賠償を

命じる一部認容判決となった。

駅前のバス乗降場付近の道路にできた窪みにつまずいて転倒した事案 No.22 では、道路管理者が速や

かに補修すべきであったとして一部認容判決となった。

一方、原告が近くの横断歩道を渡らずに道路を横断して、容易に見分けられる駒止めにつまずいた事案

No.23、園児を引率中に後ろ向き歩行をしていて段差を踏外した事案 No.25 などでは、裁判所は実況

見分と審理を通じて事実を認定し、施設管理者に施設の設置・管理に瑕疵がなかったこと、原告に不注

意以上の過失があったことなどを明らかにして、損害賠償請求を認めない棄却判決としていた。

転倒事故の事故態様 原告

事故がどこで、どのようにして

起きたか

転倒

パターン 起因物と原因 設置 管理 法令違反の有無 過失の

有無 被告 原告

1 ビル7階 飲食

店街の通路

歩行者・女・

83歳 貸しビル業者 歩行者が飲食店街通路の床面の油汚れ滑って転倒 すべり 通路床面の油汚れ ━ ・

管理に瑕疵

民第717条違反 ━ 認容
2263万円 100% 0% 一審東京地裁H13年11月27日:2001

平成12年(ワ)第2052号

2 レストラン出入

口の自動扉

来店客・女・

65歳 歩行難 レストラン 介添なしで店を出ようとして、安全装置のない自動ドアに圧され転倒外力
(押す力)

安全装置のない自動ドア ● ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ● 一部認容

222万円 30% 70% 一審東京地裁H13年12月27日:2001

平成9年(ワ)第21352号

3 コンビニ店内の

来店客・女・

22歳

コンビニ店・フランチャイザー

両手にパン牛乳を持っていた客が水濡れが残った床に滑って転倒 すべり 店舗の床に残った水濡れ ━

● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

115万円 50% 50% 二審大阪高裁H13年7月31日:2001

平成12年(ネ)第4041号

4 アイス売場前の

通路

来店客・女・

71歳

ショッピングセンター

売場通路の床に落ちていたアイスクリームに気付かず滑って転倒 すべり 放置された落ちたアイス ━

● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

863万円 80% 20% 一審岡山地裁H25年3月14日:2013

平成23年(ワ)第1389号

5 酒類売り場の

通路

店客・性別

不詳 57歳

ショッピングセンタ来店客が売場の床にこぼれていた日本酒に気付かず滑って転倒すべり 放置され

た床にこぼれた酒 ━ ● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

46万円** 70% 30% 一審東京地裁H26年3月14日:2014

平成24年(ワ)第7933号

6 銀行出入口の

玄関マット

来店客・女・

57歳 銀行店舗 両手・肩に荷物を持った女性来店客が玄関マットで滑って転倒 すべり 玄関マットの

整備不良 ━ ● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

92万円 60% 40% 二審東京高裁H26年3月13日:2014

平成25年(ネ)第6174号

7 スーパー出入口への通路

来店客・女・

年齢不詳

スーパーマーケット

スーパーの通路で、車止め用のバリケードに橋渡しされた鉄パイプに躓いて転倒つまずき 橋渡しされ

た鉄パイプ ● ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ● 一部認容

64万円 30% 70% 二審名古屋高裁H14年8月2日:2002

平成13年(ネ)第940号

8 店舗入口への雨のスロープ

店舗管理者

男・50歳代

ショッピングモール

原告の不注意で、店舗入口の雨に濡れたタイルのスロープ(勾配12%超え)を小走りして、滑って転倒

すべり スロープ、雨濡れのタイル ● ●

設置・管理に瑕疵

民第717条違反

東京都条例違反

● 一部認容

519万円 25% 75% 二審東京高裁H24年6月12日:2012

平成23年(ネ)第3490号

9 遊技場入場用入口

来店客・男・

50歳前後

スロットマシンの遊技場狭い入口に一斉に入ろうとした来店客に後ろから圧されて転倒

外力
(押す力)

安全配慮意識の欠如 ━ ● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

118万円 40% 60% 一審岡山地裁倉敷支部H14年9月5日

:2002 / 平成13年(ワ)第116号

10 浴場の御影石製階段
常連宿泊客

男・61歳 ホテル 手摺も警告表示もない滑り易い御影石の階段で、常連客が転倒 すべり 滑りやすい

御影石の階段 ● ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ● 一部認容
5

4万円 60% 40% 一審盛岡地裁H23年3月4日:2011

平成22年(ワ)第101号

11 開業前の飲食

店の屋外階段

来訪者・女・55歳

建物所有者・建物占有者

両手に荷物持ち、屋外の濡れた階段で足を滑らせ、前向に転倒 すべり 屋外階段の濡れた段板 ━ ━

瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H25年10月25日:2013

平成23年(ワ)第5028号

12 雪の日のコンビニ店内

来店客・男・74歳

コンビニ店・フランチャイザー

雪の日に草履履きで来店、草履の雪を拭わず入店し滑って転倒 すべり 草履の裏に付着した雪 ━ ━

瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審名古屋地裁H25年11月29日 :2013/ 平成24年(ワ)第3761号

13 店舗入口の道路との境界

来店客・女・61歳

ドラッグストア 入口の陳列棚を見て店に入ろうとして、道路との段差に躓いて転倒 つまずき 店舗入

口床と道路との段差 ━ ━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H25年7月18日:2013

平成24年(ワ)第20169号

14 豆腐売場内の通路

来店客・女・38歳

スーパーマーケット

原告が豆腐の棚を見ながら歩いていて通路の水に滑ったと陳述 すべり 通路床に水濡れはなかった ━

━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審名古屋地裁岡崎支部H22年12月22日:2010 / 平成21年(ワ)

第850号

15 店舗出入口の足拭きマット

来店客・性別不詳・63歳

家電量販店 マットと床の隙間につま先が挟まって、躓いて転倒したと陳述 つまずき 足拭きマットと

床の隙間なし ━ ━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 二審東京地裁H27年4月23日:2015

平成26年(レ)第1028号

16 プラネタリウム

会場の通路

女・子連れ客年齢不詳

プラネタリウム

運営会社

足元灯のある会場通路の階段を不注意に踏外し、捻挫、転倒 踏み外し 薄暗い会場通路の階段 ━ ━

瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H25年6月25日:2013

平成23年(ワ)第41759号

17 民宿の浴室木製の洗い場

宿泊客・男・年齢不詳

民宿旅館 浴室の洗い場に生えた苔に滑って転倒したと陳述、足元を見ず すべり 足元を見ないで歩

いたこと ━ ━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審名古屋地裁H14年10月30日 :2002/ 平成13年(ワ)第3227号

18 岩風呂から外に出る階段

入浴客・女・50歳代 浴場経営会社

岩風呂の階段の手摺がない側を歩いていて、足が滑って転倒 すべり 手摺がない側の階段 ━ ━ 瑕疵な

し(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H26年1月16日:2014

平成24年(ワ)第32378号

19 歩道中央部の鉄蓋との段差

歩行者・女・55歳地方公共団体(道路管理者)

原告の不注意で、歩道の中央部の鉄蓋の段差4㎝に躓いて転倒 つまずき 歩道中央部の鉄蓋の段差 ━ ●

管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

約800万円 50% 50% 二審大阪高裁 H14年7月23日:2002

平成12年(ワ)第574号

20 歩道の側溝の鉄蓋の隙間

歩行者・男・60歳地方公共団体(道路管理者)

原告の不注意で、歩道の側溝の鉄蓋の隙間に足を踏み外し、転倒 踏み外し 歩道側溝の鉄蓋の隙間 ━ ●

管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

296万円 50% 50% 一審大阪地裁岸和田支部H22年2月26日:2010

21暗渠のコンクリート床板の歩道の段差

歩行者・女・年齢不詳

地方公共団体
(道路管理者)

原告の不注意で、暗渠のコンクリート床板の段差に躓いて転倒 つまずき 歩道のコンクリート床板の段

差 ● ● 設置・管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

約13万円 70% 30% 一審小浜簡易裁判所H26年2月12日

22 駅のバス乗降場の道路

乗降者・女・年齢不詳

地方公共団体
(道路管理者)

原告の不注意で、駅のバス乗降場付近の道路の窪みで転倒 つまずき バス停の道路にできた窪み ━ ●

管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

約30万円 70% 30% 一審松戸簡易裁判所 H26年10月23日:2014

23 道路上に設置された駒止め
歩行者・女・年齢不詳
地方公共団体
(道路管理者)

原告が道路を横断して識別容易なオレンジ色の駒止めに蹟いて転倒 つまずき 道路に設置された駒止め

━ ━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 請求棄却 0% 100% 一審名古屋地裁 棄却H17年:2005

三審最高裁棄却H18年11月14日

24 車道の側溝蓋

運転者・男・年齢不詳
地方公共団体
(道路管理者)

駐車して足元を注意せずに歩き、側溝蓋の段差に躓いて転倒 つまずき 道路の側溝蓋の段差 ━ ━ 瑕疵

なし(設置管理)

法令違反なし ● 請求棄却 0% 100% 一審岐阜地裁 H19年11月12日:2007

25 歩道(県道)の段差
保育士・女・56歳
地方公共団体
(道路管理者)

後ろ向き歩行で園児を引率中に、歩道の段差を踏み外して転倒 踏み外し 歩道の段差後ろ向き歩行 ━

━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 請求棄却 0% 100% 一審横浜地裁 H20年3月28日:2008

26 中学校の結露した廊下
中学生・男・14歳
地方自治体 中学校他

結露した廊下での滑り遊びを断った原告が強要されて転倒 すべり 結露した廊下での滑り遊び ● ●

設置・管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ━ 認容

4568万円 100% 0% 二審福岡高裁H25年12月05日:2013

平成25年(ネ)第527号

27保養所の客室の出入口の床との段差

常連宿泊客・女・85歳
地方自治体、保養所

客室の出入口に踏み台がなく、急いだ原告が縁を踏み外して転倒 踏み外し 部屋と廊下の大きな段差

● ● 設置・管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

82万円 40% 60% 一審東京地裁H13年5月11日 :2001

平成12年(ワ)第9317号

28 庁舎玄関前の三段の階段

視覚障害者・男・57歳 国(合同庁舎)

白杖なしの原告が点字ブロック、すべり止めシートのない階段で転倒 踏み外し 点字ブロックと白杖

の欠如 ● ● 設置・管理に瑕疵

国賠法第2条違反 ● 一部認容

105万円 70% 30% 二審大阪地裁堺支部H16年12月22日:2004 / 平成15年(ワ)第1596号

29 溝切工事中の駅の階段

通行人・女・年齢不詳 鉄道事業者

階段の工事のために転倒したと主張した日には工事はなかった靴の踵の挟

階段段板の溝(陳述に疑義) ━ ━ 瑕疵なし

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H26年7月14日 :2014

平成25年(ワ)第14674号

30 JR駅駅舎の屋外通路

通行人・男・44歳

広域市町村圏 事務組合

原告がスニーカーで駅舎外の凍結した路面を歩き、滑って転倒 すべり 凍結路面とスニーカー ━ ━

瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審山形地裁H28年7月19日:2016

成26年(ワ)第287号

31賃貸マンションの共用階段の2階踊り場

住人・男・68歳 独立行政法人

共用階段をサングラスをかけて箱を抱えて降り、踊り場の剥離した床に躓き転倒つまずきマンション

2階踊り場のコンクリートが剥離した床━ ● 管理に瑕疵

民第717条違反 ● 一部認容

37万円* 60% 40% 一審東京地裁H25年6月3日:2013

平成23年(ワ)第17181号

32 共同住宅の屋外の犬走部

住人・男・44歳 建物管理会社

住人が夜間に集合住宅の犬走部を歩行中、植木鉢に躓いて転倒 つまずき 犬走部に置かれた植木鉢 ━

● 管理に瑕疵

民第709条違反 ● 一部認容

92万円 60% 40% 一審東京地裁H25年5月1日:2013

平成24年(ワ)第3732号

33 アパートの屋外、敷地内

住人・男・年齢不詳

アパートの家主 置石に躓いて転倒負傷したとする原告の主張を医師が否定 つまずき 敷地内に置かれ

置石 ━ ━ 瑕疵なし

民第709条違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁 H25年4月22日:2013

平成24年(ワ)第26184号

34共同住宅1階共用部のEV入口床面

住人・女・68歳 住宅管理組合

1階着床直前、緊急停止したエレ
ベータと床の段差につまずいた つまずき エレベータと床の段差 ━ ━ 瑕疵なし、旧施行令

第129条の違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H24年11月15日:2012

平成22年(ワ)第43192号

35 病院1階の防火扉

入院患者・女・71歳 病院

子供が把手に触れて防火扉が閉まり始め、原告が扉に圧され転倒
外力
(押す力)

防火扉の動き、

設計ミス ● ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ━ 認容

2010万円 100% 0% 一審福島地裁会津若松支部H12年8月

31日:2000 / 平成10年(ワ)第135号

36 介護施設の排泄物処理場

入所者・女・95歳 介護施設

施設の契約不履行で、入所者が排泄物処理場に汚物を捨てに行き、仕切り板につまずいて転倒つまず

き 暗い排泄物処理場の仕切り板 ━ ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ━ 認容

537万円 100% 0% 一審福島地裁白川支部H15年6月3日:2003 / 平成14年(ワ)第17号

37 病院病棟5階トイレ前通路

タクシー運転手・68歳・男 病院

5階トイレ前で転倒していた原告に記憶なく、目撃者なく、概要不明 不明 原告に記憶がない ━ ━

瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H14年5月17日:2002

平成13年(ワ)第13363号

38 病院1階会計課前の通路

原告:死亡老女相続人9名 病院

老女転倒事故の死亡後1年経過後の訴訟、事故記録に不審な点なし つまずき パーティションロー

(推定) ━ ━ 瑕疵なし(設置管理)

法令違反なし ● 棄却 0% 100% 一審東京地裁H24年11月20日:2012

平成23年(ワ)第12409号※責任あり: ●、 責任なし: ━

道路施設 ※責任あり: ●、 責任なし: ━

 

※責任あり: ●、 責任なし: ━
※責任あり: ●、 責任なし:━

(注6) 転倒事故の責任          : 責任あり: ●   責任なし: ━

(注4) 法令「民」「国賠法 」         : 「民」は民法を、「国賠法」は国家賠償法を表わす。

※責任あり: ●、 責任なし: ━

(注5)一部認容*、 **            

裁判の審理開始以前又は審理中に被告が原告に損害賠償金額を上回る治療費などを支払っていた

場合、判決は棄却であっても実質は一部認容判決なので、このように表記した。

(注1) 転倒事故発生場所の施設類型 : 「商業施設(店舗、温浴、遊戯施設等)」「道路施設」「公

共公益施設」「住宅施設」「医療介護施設」の5つに類型化した。

(注2) 転倒事故の転倒パターン    : すべり、つまずき、踏み外し、外力(圧す力)など。

(注3) 転倒事故の起因物        : 転倒事故を引き起こしたもの、例えば、段差、窪み、

床面の水、凍結した路面など。

裁判所による転倒事故の判決 施設類型別

転倒事故の発生場所

3月13日:2014

平成25年(ネ)第6174号

7 スーパー出入口への通路

来店客・女・年齢不詳

スーパーマーケット

スーパーの通路で、車止め用のバリケードに橋渡しされた鉄パイプに躓いて転倒つまずき 橋渡しさ

た鉄パイプ ● ● 設置・管理に瑕疵

民第717条違反 ● 一部認容

64万円 30% 70% 二審名古屋高裁H14年8月2日:2002

平成13年(ネ)第940号