滑り転倒事故は、施設管理者の責任を問われる場合があります。

銭湯、スーパー銭湯、プール、学校、保育園、幼稚園、スーパー、百貨店、ホテル、旅館、宿泊施設、コンビニ、ドラッグストア、駅、マンション、商業施設、その他の場所で床・スロープ・階段などが滑る、滑りやすいとわかっていて、そのまま放置していませんか?

そのような場所で、転倒事故が発生してしまうと施設管理者責任を問われます。

皆様ご存知ですか?

1年間で転倒によって死亡される方の数をご存知ですか?
なんと平均3400人もの方が亡くなられています。(1日平均10人ですよ!驚きですよね。)
内訳は、

家庭・居住施設(約1200人)

公共・商業施設(約600人)

その他・不明(1600人)です。
怪我をされている方などは想像も付かない位いると思います。また、高齢者が寝たきりになる原因の3位は転倒事故です。予想以上に転倒事故は社会問題になりつつあります。

滑り止めの必要性

旧来の日本社会においてスリップ転倒した場合、個人の不注意という意識があり、大きな事故にならない限り問題として表面化しにくい現状がありましたが、少子高齢化が進み大きな事故につながるケースが増えています。

 

最近では施設管理者や所有者に・・・

※分譲マンション等は自治会・管理組合 
※個人所有建物・賃貸ビル・マンションはオーナー・管理会社 
※公共建物・道路は各自治体に対し施設管理上に責任があったとして、苦情や医療費・損害賠償を請求す 

 るケースも多くなってきました。また、訴訟も増加しています。

 

現在のスリップ転倒に関する法規関係

 
 ①民法717条  土地工作物責任
 ②PL法  「製造物責任賠償法」(歩行面の管理責任)
 ③バリアフリー関連法  (ハートビル法・福祉のまちづくり条例等)
 ◎PL法では被害者が
   1.損害の発生 
   2.欠陥の存在(当該製品が危険であったこと) 
   3.欠陥と損害の因果関係

この3点を立証すれば製造者・管理者は過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負わなければ成らないとされています

【転倒事故判例】

【事例1 駅ビルで転倒、骨折2,200万円賠償命令】

 
JR池袋駅ビル7階通路で主婦(69歳)が転倒、左足を骨折し、左股関節の機能を失う後遺症が残った。駅ビル会社「池袋ターミナルビル」を告訴。東京地裁は「転倒事故は床に油や水などが付着し、滑りやすくなっていたことが原因として、駅ビル会社に2,200万円の支払を命じた。
【事例2 濡れた床で転倒事故、コンビニ逆転敗訴】
大阪市内のコンビニエンスストアで、東大阪市在住20代の女性が買い物中に濡れた床で転倒、左腕を負傷する。女性側が慰謝料など1千万円の支払を求めた裁判で、大阪高裁は「から拭きするなど客が転ばないよう指導する義務があったと115万円余りの支払を命じた。
【事例3 プールの廊下で転倒事故、原告勝訴】

50代の女性が、水溜りがあったプールの廊下で転倒、左手首を骨折する。施設側は事故当時、施設各所に足拭きマットを置き、係員が1時間おきに清掃を行い、踊り場には体を拭くように促す注意書きを掲示していました。にも関わらず、裁判所は床面に有効な滑り止め措置が執られていないという理由で施設側に瑕疵があるとして、損害賠償支払いを命じた

管理者の皆様へ

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  最近、滑りやすい場所でよく目にする「滑りやすいので注意してください」等の張り紙・看板ですが、その掲示は逆効果で、もしも重大な転倒事故があり、裁判などで訴えられたときには「滑ると分かっていて放置していた」という事になり、瑕疵があるとして、損害賠償を負わなくてはならない事になります。そうなる前に、滑りやすいと分かっている箇所があれば、有効な滑り止めを施すようにしてください。また、その事がお客様への安心安全を提供するというサービスにもつながると思います。しかし、注意喚起の観点では、必要です。

一般のご家庭の皆様へ

滑って転倒した、滑って怖い思いをしたという方へ、滑りは管理者の管理不足と言えます。子供、お年寄、障害者の方々の安全を守るという意味においても施設管理者に改善を求めてください。 

   あなたの生活しているマンション・ビル・建物、お風呂、プール、公共の通路・階段・スロープ等での
滑り転倒事故で施設管理者の責任が問われる事例が多くなっています。