ランニング中こけで滑り大けが、歩道を管理する福岡県那珂川市に280万円賠償命令
福岡県那珂川市が管理する歩道をランニング中に、こけで滑って転倒したのは市が安全管理を怠ったのが原因として、県内の男性(50歳代)が約1650万円の損害賠償を求めた訴訟で、福岡地裁は19日、市に約280万円の支払いを命じる判決を言い渡した。上田洋幸裁判長は「事故を予測できた」などと判断した。
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判決によると、男性は2020年8月、同市西畑の峠付近の下り坂を走っていた最中にこけに滑って転び、 肋骨 骨折などの大けがを負った。
裁判で、市側は、現場の歩道は山地を切り開いた場所で、〈1〉ある程度のこけについては 瑕疵 といえない〈2〉苦情や相談がなかったなどと主張した。しかし、判決は、歩道脇の擁壁から漏れた水で一帯がぬれ、約5メートルにわたりこけが表面を覆っていたと認定。その範囲は軽微とはいえず、こけの厚さなどから相当前から生えていたとみられることから、対策を行うことは可能だったと結論づけた。一方、避けて走ることもできたとし、男性側の過失を4割とした。
市は「判決文を見ていないのでコメントできない」とした。