レジオネラ症について・・・加湿器も注意が必要です。
レジオネラ症とは?
レジオネラ属菌は、自然界(河川、湖水、温泉、土壌など)に生息している細菌で、感染すると、肺炎を引き起こす場合があり、重篤化し死亡するケースもあります。
我が国でも毎年50-70名程の死亡が報告されています。
高齢者や新生児、喫煙者や透析患者、免疫機能が低下している方等は、レジオネラ肺炎のリスクが高いとされ、注意が必要です。
レジオネラ症は、感染症法上の4類に分類されており、全数報告対象で、毎年2000件前後の報告があります。
レジオネラ症の潜伏期間は2~10日で、全身倦怠感、頭痛、食欲不振、筋肉痛などの症状に始まり、咳や38℃以上の高熱、寒気、胸痛、呼吸困難等が見られるようになります。
どうやって感染するの?
レジオネラ症は、レジオネラ属菌に汚染されたエアロゾル(細かい霧やしぶき)の吸入等によって、感染して発症します。
レジオネラ属菌は、ヒトからヒトへ感染することはありません。
代表的なエアロゾル感染源としては、冷却塔水、加湿器、循環式浴槽などが報告されています。
温泉浴槽内や河川で溺れた際の汚染された水や、土壌の粉塵を吸引・誤嚥したこと等による感染事例も報告されています。
予防するには?
風呂(自宅・共同浴場等)での感染を予防するには、何よりも湯をこまめに換え、浴槽などを清掃することですが、循環式浴槽(追い炊き機能付き風呂・24時間風呂等)を備え付けている場合も、浴槽内の汚れや細菌で形成される「ぬめり」が生じないよう、定期的に洗浄等を行い、レジオネラ属菌が増殖しやすい環境をなくすことが大切です。
また、加湿器でもレジオネラ属菌が繁殖する事が有ります。気を付けましょう。
加湿器からのレジオネラ感染経路
加湿器は、タンク内の水を水蒸気にする方法によって方式が分けられます。
水を加熱して蒸気にするスチーム式、風を当てることで水を蒸発させる気化式、超音波で水を水蒸気にする超音波式、加熱した水を気化や超音波で水蒸気にするハイブリッド式などがあります。
レジオネラは60℃では5分で死滅するので、タンク内の水が加熱されるスチーム式やハイブリッド式の加湿器は、レジオネラ汚染のリスクが低いとされています。
加湿器を使用する際には、タンクの内部を洗浄し、常に清潔な状態にしておくことが重要です。
少し古いデータになりますが、2002年に公衆浴場等でレジオネラ症事例が多発したことを受け、2003年に、厚労省が公衆浴場と旅館を対象に行った調査結果では、緊急一斉点検を行った3万1826施設のうち、換水・清掃・消毒などの衛生管理等の点で問題があるとして、指導を受けた施設は1万7726施設(55.7%)もありました。
また、この調査におけるレジオネラ属菌の検査結果は、「行政検査」を実施した5945施設のうち、1576施設(26.5%)、「自主検査」を実施した1万1669施設のうち、1370施設(11.7%)で、レジオネラ属菌が検出されました。
浴場の床がヌメッている所は、体脂肪の蓄積だけでなくバイオフィルムによる『ぬめり』も有ります。
床のヌメリに関しては、塩素消毒だけでは菌は死滅しません。菌の餌となる元を取り除かなければ消毒により減少しても、又増殖します。
お客様が安全安心に利用できるように、対策が必要だと思います。