本磨き”モドキ”のセラミックタイルがやってきた!(今は、このセラミックタイルが主流になっている現状・・・)

あいまいになった?セラミックタイルの定義

 以前にも簡単に記したと思いますが、セラミックタイルにはそれなりの定義があります。通常(一般的)は、陶磁器系のタイルをセラミックタイルと解釈しても間違いではありません。ただ定義の解釈が広範囲に及ぶ為、タイルに留まらず、セメント、ガラス、塗装の分野においてもセラミックと表現(引用・応用)を用いています。

 猫も杓子も流れに便乗しよってからに?って事になる訳ですが、作戦的に便乗したそれらの製品が全くアカンのかって言うと決してそうじゃない。皆其れなりに評価できるんですよね。・・・早急に分類しないと、良いも悪いも何が何だか訳の分からない世界って感じで、エンドユーザー側はチンプンカンプン?ではないかと思っています。

中国のセラミックタイル?

 実は近々、大阪の大手スーパーの防滑工事の予定がありまして、床材はセラミックタイルとの事でした。現地調査に赴き、思わずン?と考え込んでしまいましたよ。敷設されているタイルは確かにセラミックタイルですが、私が初めて遭遇するもので、何かしら違和感を感じてしまったのです。色合いも光沢も磨きのセラミックタイルと思えるのですが・・・何かが違うのです。

早速ゼネコンさんに問い合わせますと、『中国のセラミックタイル』とのこと。しっかりしたゼネコンさんで、メーカーを問うと即回答してくれました。品番まで確認出来たので、早速メーカー本社に同じタイルのサンプルを3枚提供して頂くよう手配する事が出来ました。

 翌日サンプルが到着。早速開封し、サンプルを手にして思わず・・『ワォ』・・私の違和感は当たっていました。

本磨きモドキのセラミックタイル

 取り出して手にしたセラミックタイルは、見た目には本磨きの物と殆ど変わりません。何が違うかって言うと、幅6ミリの磁器タイルの上に3ミリ幅のセラミックが重ねてあるのです。・・・分かり易く言うと、タイル表面に釉薬がドーンと乗っかかっているんですよ。

・・・確かにコイツもセラミックタイルと言われりゃそうだけども・・・。

成分構成、粒子の結合状態そのものが本磨きのセラミックとは違ってきますから、おそらく新種の施工溶剤の製作が必要となります。
・・・またまた新種のウィルス到来ですナ。・・・やれやれ・・・

新種のワクチン(溶剤)を開発せねば

さっそく1枚目のサンプルを6区画に仕切って、手持ちの6種類のセラミック専用溶剤を其々のマスに塗ってみました。・・・其々の溶剤に其れなりの反応は示すものの、納得のいく(適正な反応)結果を得る事が出来ませんでした。やっぱり新種のワクチン(溶剤)が必要みたいです。

 今回レベルのセラミックタイルともなれば、フッ化物をそのまま薬品反応させても決して旨くいきません。フッ化物そのものを仕立て直し、高度化させなければなりません。何だかんだと丸一日かけて、ようやく新種ワクチン(溶剤)が出来上がりました。塗布量と塗布後の時間を気にしなくても良い溶剤です。

 試しに2枚目のサンプルに施工時に使う道具でドーンと塗ってみました。塗布した溶剤が、あえて乾くまで待って濡れたタオルで拭き取ります。拭き取るタオルが吸盤効果でドーンと重く感じます。効果は十分と判断。

後は仕上がり状態がどうなっているかが問題です。・・・完璧に乾いた状態になり、タイルを覗くと・・・私の顔(鼻の穴まで・・)がしっかり見えます。次にタイルを床に置き再度濡らし、ウレタンゴム底のスニーカーでドーンと踏み込んでみました。しっかり止まりました。・・・(^-^;

 

本磨きモドキのセラミックタイルは、表面状態がすべてバラバラ??

 2枚目のサンプル塗布で調整が旨くいったので、現場での使用量約60キロ分の溶剤製造に取り掛かる事にしました。そして約2時間程で今回のセラミックタイル専用の溶剤が完成しました。一服した後で最後の1枚に塗布し、仕上がり状態を確認し、問題がなければ施工溶剤準備完了となります。

休憩を終え溶剤が安定したのを確認し、サンプルタイル最後の3枚目に完成した溶剤を塗ってみました。良い感じに仕上がっていて何等問題無しってところで一安心しました。・・・

なんと!溶剤が弾かれる・・・

2日後ゼネコンさんから現場に敷設しているタイルが1枚届きました。現地調査の日に私が頼んでいたからです。さっそく作っておいた溶剤を塗ってチェックしてみました。・・・するとびっくり仰天。塗った尻から溶剤が弾かれ玉状態になるではありませんか。『アレ~・・・』・・・(゚0゚)・・・何故??・・コーティング??

 このままではせっかく作った溶剤ですが、現場で使う訳にはいきません。同じ品番のタイルなのに表面状態が全く違うなんて通常有り得ないし、確認しないと納得できないので、改めてタイルメーカーに同品番のタイルを今回は有償で5枚再度送って貰う事にしました。

2日後メーカーより有償サンプルが届きました。さっそく届いた5枚のタイルを並べて其々に、先日作った溶剤を塗ってみると・・・全てのタイルで溶剤は弾き無数の玉状態が発生ししました。・・・最初に送って貰ったサンプル3枚は全く弾かなかったし、それを信じて溶剤まで作ったのに・・・(u_u。)

何かコーティングされているのが明確となった為、さっそくメーカーに問い合わせをしました。メーカーの担当者の回答は、中国の工場において汚れ防止の為に全てのセラミックタイル表面にナノワックスを掛けているとの事・・・。

すべてが理解(納得?)できました

要はナノワックスを掛けた後の拭き上げにバラツキがあり、仕上がったタイルの表面に固着し残留したナノワックスは一定ではないのです。簡単に言うと見た目は同じ顔しているが性格の全く異なったタイルが出来てしまっているのです。