レジオネラ菌による感染症(レジオネラ症)とはなに?

大阪・関西万博の会場内にある施設からレジオネラ菌の仲間が検出され、万博協会の対応が遅れ、批判されています。この施設では噴水があり、子どもが水遊びをするということです。
レジオネラ菌による感染症の報告はまれではありませんが、菌が存在する飛沫を吸い込むなどすると感染する危険性があり、肺炎などのレジオネラ症を発症すると場合によっては死亡することもあります。
他にもレジオネラ属菌が・・・
熊本県人吉市は、市内の公共温泉施設から国の基準値を上回るレジオネラ属菌が検出されたと発表
出典:RKK熊本放送 2025/3/12(水)
米子市が所有する温泉施設で、基準値を超えるレジオネラ菌が検出
出典:NHK 2025/6/5(木)
菌が、国の指針の値である100ミリリットル当たり100CFUを大きく超えて2000CFUだった
出典:NHK 2025/6/5(木)
池は検出翌日も遊べる状況にあり(中略)対応に不備があったとの考えを示した
出典:産経新聞:産経ニュース 2025/6/9(月)
レジオネラ菌(レジオネラ・ニューモフィラなどの細菌類、約60種)は土壌や粉じん中などの自然環境のほか、水道水や給湯設備、浴室、加湿器などの日常生活環境にも存在し、レジオネラ症は特に高齢者や免疫機能が低下している人、乳幼児などに対する日和見感染症として注意が必要です。
日本の最初のレジオネラ症例は1980年とされており、60代の男性が肺炎による敗血症で亡くなっています。
2002年には宮崎県の入浴施設でレジオネラ症の集団感染が発生。295名のうち、7名が亡くなっています。
レジオネラ症で肺炎を発症すると、咳、高熱、呼吸困難などが生じ、レジオネラ症肺炎の特徴として意識レベルの低下、幻覚、手足の震えなどの中枢神経系の症状、下痢などがみられることがあります。また、適切な治療が遅れると悪化して死亡することもあります。
レジオネラ菌の仲間は摂氏60度の5分間の加熱で殺菌されるとされ、加熱式蒸気タイプではない超音波式の加湿器では頻繁に水を入れ換えるなどするほか、浴槽やシャワーノズルなどのヌメリや汚れをよく清掃して管理することが重要です。
ヒトヒト感染はないとされていますが、予防ワクチンはまだありません。