硫酸・塩酸は本当に環境に悪いの???
未だに硫酸・塩酸の化合物を劇物であると位置付け、その硫酸・塩酸の入った施工溶剤が環境を侵してしまう等と更に書き並べ、それでもってウチの施工溶剤は、環境にやさしい、皆さんが口に入れても安全なクエン酸等の有機酸を使ってます・・・なんて意味不明な表現をしているのが少し気になります。
人にやさしい=環境にもやさしい?
旧ハイパーテックジャパンが、溶剤系滑り止めを日本に導入して15年も経過しているこの時代に、いつまで幼稚な戯言を言っているのか。・・・ケミカルに免疫のない素人さんを大勢信者にし、大勢力を誇っても、自らの知見不足を暴露している様では業界発展の足かせにしかなりません。
硫酸・塩酸は、毒劇法において、確かに10%を超えると劇物となりますが、それ以下の含有であれば普通物となります。従って、10%以下の硫酸・塩酸を含有した製品・商品は、ホームセンター等、市場にも幅広く流通しています。
人にやさしいから環境にもやさしい、と言った表現にも違和感があります。・・・製造に携わる者の一人として、又、なぜ私が辛口を呈するのか、以下に簡単に記したいと思います。
微生物の栄養素となる有機酸
環境破壊に繋がる最も大きな要因は、その排出量にあると思います。主に植物から抽出される有機酸は、硫酸・塩酸(無機酸)の分量とイオン濃度(PH)とを同レベルに設定し排出した場合には、皆さんが表現されるように、人にやさしく環境にもやさしいと言えます。
排水された有機酸は、やがて河川、海に流れて行きます。そしてその過程において微生物の栄養素ともなります。
ですが、問題点はここにあるのです。
各家庭から大量に排水される有機物質の影響をうけ、微生物は栄養過多となってしまうのです。増殖しすぎて、場合によっては、酸欠状態に陥り、死にいたります。
人にだって栄養過多はよろしくありません。各自治体が下水行政に力を注いできたのはこの対策でもあるのです。皆さんが時折ニュースで耳にされる赤潮・青潮などで、沢山の魚が死んだなんて言う話の根元もここにあるのです。
硫酸・塩酸がどのようにして生産されるのか?
硫酸・塩酸がどのようにして生産されているのか、その原料は何か?
硫酸
一般的には、硫黄、硫化鉱などを燃焼させて二酸化硫黄を発生させ、触媒を使って酸化させると硫酸ができます。直接生活との繋がりは少ないが、間接的にはすべての工業に関係があり、衣食住はもとより、我々身辺のあらゆるものに重要な役割を果たしているのです。
塩酸
海水を電離分解(イオン交換膜法)することにより、+に塩酸-に水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)ができます。苛性ソーダは食品添加物として流通しています。
硫酸・塩酸も自然の環境の中から産出されるもの
硫酸・塩酸も自然の環境の中から産出されるものです。栄養素はないので、微生物には影響はほとんどありません。微生物が、仮に吸収してもそのまま排出されます。
栄養素がないので、人も口にしません。石が胃に入った場合、ウンチでかってに出てくるでしょう?それと同じですよ。要は、中和を施し排水すれば問題は発生しないのです。
安全であるか否かは、取り扱う者の認識度に関係してきますし、私的には、もう少しプロフェッショナルな表現をしてくれたらいいのにと思っています。