雨の日に自転車に乗っていて、マンションのピロティーで転倒事故
ある法人が管理をしている大阪市内のマンションで、住民の主婦(63歳)が雨の日にマンション駐輪場
近くのタイル張りのピロティを自転車で走行中、スリップして転倒。
大腿骨を折る大怪我を負い、右股関節の機能を失う後遺症が残った。
当時タイルは雨で濡れ、主婦が夫に助けを求めている間、別の自転車の女性2人も転倒した。
事故後、夫が法人に抗議したが、法人側は「自損事故」として対応せず、主婦らは同様の被害者を
探そうと、マンション住民約420人にアンケートを行なった。
その結果、計35人が延べ56回、転倒うち26人が怪我をしそのうち4人は骨折の重傷を負っていた。
主婦は「タイルが滑りやすいことは明らか」として提訴するとともに、アンケートを証拠として提出し
た。これに対し、法人側は「ピロティは本来、自転車を押して通行しなければならず、事故はハンドル
操作を誤った自損事故」と反論していたが、裁判所の和解勧告を受け入れ、法人側が和解金200万円を
払い、「より良い住環境を整備する」との条件で和解が成立した。
今後、この様なケースはPL法の普及・弁護士の増加・裁判の簡素化・経済環境の悪化等が進むと
更に増加するものと考えられますので、より一層の安全管理の意識が必要となります。
現在のスリップ転倒に関する法規関係
①民法717条「土地工作物瑕疵担保責任」
②PL法「製造物責任賠償法」(歩行面の管理責任)
③バリアフリー関連法(ハートビル法・福祉のまちづくり条例等)
◎PL法では被害者が
1.損害の発生
2.欠陥の存在(当該製品が危険であったこと)
3.欠陥と損害の因果関係
上記3点を立証すれば製造者・管理者は過失の有無にかかわらず損害賠償責任を負わなければ
成らないとされています。
裁判では、施設管理者責任を問われるケースが増加しています。