大浴場床の滑り止めと浴槽、木の縁のすべりどめ!(防滑工事)
今回はホテルの大浴場の床材と浴槽、木の縁の滑り止めテスト施工の、お話。
お問い合わせがあってお客様に床材の写真と温泉分析書を頂き、それを元に何種類かの溶剤を作り後日現地へ・・・
テスト施工前に現地で担当者様よりの聞き取り調査で、黄色のマットが敷かれている所が滑るとの事で確認してみると
水を弾いてる場所が有ります。
湯船のお湯を床に流してみると、全体的に水を弾いていました。床材の毛細管内に蓄積された脂(体脂肪)がキャパオーバーで、床材表面に溢れ出しており床がべたついていました。そこにお湯を大量に流してみると毛細管内で固まっていた脂が溶け出して溢れ出して来る事により、床がもっと滑りやすくなりました。
自分たちの予想通りの展開なりました。
担当者の方に資料を見てもらいながら、なぜ滑っているのか?どうして滑りを止めるのか。滑り止めを施工した後の維持の方法などをご説明させて頂き、理解して頂いたのを確認後テスト施工を開始しました。
左の写真は、滑るのでいつもマットを敷いている状況です。
右の写真はテスト施工後、担当者の方に確認して頂いている状況です。
担当者の方いわく、ここの施設に来る前に別の施設でスーパー銭湯を担当していた事が有り、別の業者さんやけど滑り止め施工をしてもらった事が有りその時の結果が良くなかったので、今回もそんな事やろうと思っていましたとおっしゃってました。今回は、ホテルの総支配人からの指示なので連絡させていただきましたとの事で、テスト施工させて頂いた後確認して頂くと、第一声えっなにこれ、何をしたの?と・・・
見て頂いた通りですよ!特別な事は何もしていませんと答えると、全然違う。前回経験した滑り止めは滑っている現状の床よりは、ちょっとマシかなという程度でこっちよりは(滑る床)滑らないでしょと言われて施工後1ヶ月で元のように滑り出してしまい、施工業者さんに連絡するとお宅の清掃の仕方が悪いので滑り出したので責任は取れないと言われて終わりでした。そんな感じやと思っていたがこれは凄い!でも、取れだけ持ちますか?といつも同じ質問を受けます。
逆にどれだけ持たせたいのですか?と質問すると最低でも3~5年は持たせたいとの回答でした。
それでは、日常清掃はどうされていますか?などヒアリングをし、簡単な説明をしましたが滑り止め施工をした後に、ここの施設様専用のメンテナンスマニュアルを作成してお渡しします。必要であれば清掃担当の方と一緒に1回清掃手順や洗剤の種類、濃度などを伝えさせて頂き一緒に作業させて頂きますので、それは施工後という事でになりました。
適正な洗剤の種類・洗剤の濃度・方法で日常清掃して頂ければ効果を長く持たせることが出来ます。
もう一か所の浴場に有る浴槽の木の縁も滑るので、対応できますかと・・・
見せて頂くと・・・
上に乗ってみるとズルズルして足の裏が気持ち悪くめちゃくちゃ滑る状態でした。
よく見てみると所々白っぽいものが見えますが、体脂肪(脂)の蓄積です。木にも水を吸い上げる管があり、この木の縁の上を人が歩くので木が水分と共に脂も吸って内部に蓄積しています。
今回は、1、2、3と3種類の溶剤を使用しテストをした結果、1と3もいいのですが2の溶剤が内部に蓄積している脂を一番出していました。溶剤塗布後湿布して約20分溶剤を中に吸わせて中和した後にデッキブラシで擦ると乳化した脂がデッキブラシに一杯付いて取れ滑るのが軽減されました。1回の作業では滑りは止まっていますが脂が残留しているので足の裏の感じは気持ち悪い感じなので、しっかり脂を出すには後1~2回同じ作業が必要だと思います。
ここの現場でも経験を生かせることも有り、新たな発見・勉強になる事も有りました。
現場ごとに滑り・汚れの度合い・使用頻度・年齢層・水の成分・メンテナンスの状況が違うので毎回勉強になります。
日々、精進・勉強・努力を怠らずに、お客様に感動と喜びを感じて頂けるように安全安心に使用して頂けるように頑張ります。