「滑って転ぶ、転倒事故」は施設管理者の責任
店舗などで滑って転び、裁判となる事例が年々増加傾向にあります。
厚生労働省の人口動態統計でも解る通り、滑りによる転倒事故は年々増加傾向で、特に65歳以上の方の事故が増えています。
少子化、高齢化社会になってきている今、交通事故なみに多い滑りによる事故を起こさないように、いち早く滑り止め処理を行う事をお薦め致します。
●転倒事故判例<事例1>
『駅ビルで転倒、骨折2,200万円賠償命令』
JR池袋駅ビル7階通路で主婦(69歳)が転倒、左足を骨折し、左股関節の機能を失う後遺症が残った。 駅ビル会社「池袋ターミナルビル」を告訴。
東京地裁は「転倒事故は床に油や水などが付着し、滑りやすくなっていたことが原因」として、駅ビル会社に2,200万円の支払いを命じた。
●転倒事故判例<事例2>
『濡れた床で転倒事故、コンビニに逆転敗訴』
大阪市内のコンビニエンスストアで、東大阪市在住、20代の女性が買い物中に、濡れた床で転倒、左腕を負傷する。
女性側が、慰謝料など1千万円の支払いを求めた裁判で、大阪高裁は「からぶきするなど客が転ばないよう指導する義務があった」と115万円余りの支払いを命じた。
●転倒事故判例<事故3>
『プールの廊下で転倒事故、原告勝訴』
50代の女性が、水溜りがあったプールの廊下で転倒、左手首を骨折する。
東京地裁は、清掃や注意、呼びかけなどは怠っていなかったかが、清掃前には危険を防止する措置が執られていない等により、損害賠償支払いを命じる。
上記、(事例3)では、被告は事故当時、施設各所に脚拭きマットを置き、係員が1時間おきに清掃を行い、踊り場には体を拭くように促す注意書きを提示していました…にも関らず、裁判所は床面に有効な滑り止め措置が執られていないという理由で施 設側に瑕疵があり、損害賠償の支払い命令に出た代表的な判例です。
この場合、床材がタイルや石であっても同じような判例が出ると考えられます。