明日からすぐできる!自宅内の転倒事故を防ぐ10の方法

1年間で高齢者の1割が経験しているといわれる、自宅内での転倒事故。これを防ぐには、部屋の各所に手すりをつけたり、玄関や風呂場の段差をなくすことが非常に有効です。

しかしながら、これらはちょっとした工事が必要になります。最近では比較的安価・短期間で手軽に手すりを取り付けられるようになりましたが、それでも「思い立ったその日にパッと」というわけにはいきません。

また、せっかく手すりを取り付けても、日ごろのちょっとした注意が足りなければ、転倒リスクは低くなりません。

 
 

そこで、ここでは明日からすぐできる、自宅内で転倒事故を防ぐためのポイントを紹介。普段の生活に取り入れて、自宅をより安全なものにしましょう。

1:部屋の照明は明るいものを

 部屋が暗いと足下がよく見えず、転倒リスクが高くなります。夜にトイレへ行く時などはもちろん、たとえば夕暮れ時などは早めに照明をつけるなど、常に明るい室内を心がけましょう。最近は、人の動きを感知したり、暗くなると自動的に点灯するセンサーつきの照明も安く販売されていますので、廊下やトイレなどに取り付けるのもよいでしょう。

 

2:キャスターのついた家具は気をつけて

 

 ローテーブルやオフィス用の椅子など、キャスターのついた家具は便利ですが、少し体重を掛けただけで動いてしまう危険も。バランスを崩した時に寄りかかっても大丈夫なように、安定した家具へ買い替えるなども検討しましょう。

 

3:新聞や荷物はきちんと片づけ、床や階段をすっきりと

 床に物が置いてあると、それ自体でつまづいたり滑ったりすることもちろん、足の踏み場に困ってバランスを崩したりといった危険もあります。また、階段に置かれた荷物は手すりをつかむ際の妨げにもなります。こまめに片づけをし、常にすっきりとした床や階段にしておくことが大切です。

 

4:カーペットの縁、電気コード・・・床には危険がいっぱい

 

 家庭内での転倒事故は、玄関やベランダなどの大きな段差ではなく、部屋の敷居やカーペットの縁など、わずかな段差で多く起こります。薄手の滑り止めマットを敷いたり、小さな段差を埋めるグッズなどをうまく活用しましょう。また、床を這う電気コードに足を引っ掛ける事故も多発。特にコタツや扇風機などは要注意です。ケーブルカバーを使う、不必要な電源コードは抜くなど、対策をしましょう。

 

5:浴室の床にはクッション性のあるものを

 水に濡れて滑りやすい浴室の床。発泡素材などのクッション性があるマットを敷いておけば、万が一転倒した時にも衝撃を和らげてくれます。また、足元の冷たさも緩和されるので、ヒートショックにも有効です。

 

6:玄関や脱衣所のマットには滑りにくいものを

 靴を履いたり服を着替えたりと、ただでさえ不安定な姿勢になる玄関や脱衣所。よろけたときに足を下ろしたマットが滑ってしまっては、大事故につながります。裏側がゴム製の滑りにくいものを敷くか、ホームセンターなどで売っている滑り止めマットを活用しましょう。

 

7:「低めの腰掛け」を活用しよう

 家庭内での転倒事故を防ぐためには、不安定な姿勢にならないことが大事。玄関や脱衣所などに低めの腰掛けを置き、座って靴を履いたり服を脱ぐことで、転倒リスクは格段に減少します。安定性がよく、ひじ掛けのあるものなら、立ち上がる際の支えとしても使えます。

 

8:「スリッパ」よりも「ルームシューズ」を履こう

 

 スリッパはそれ自体が脱げやすく滑りやすいほか、かかとが浮くためすり足となり、普段はつまづかないような段差にひっかかる危険性も高くなります。かといって、滑りやすい靴下のまま歩くことは論外ですが、裸足で歩くと家具や扉に足先をぶつけてけがをすることにもつながるため、かかとのあるルームシューズを履くのがオススメです。

 

9:高いところの荷物は「幅の広い踏み台」で

 流し台の上の棚に置いた食器、切れてしまった蛍光灯の取り換え・・・「ちょっと背伸びすれば届く」高さが一番危険です。少し面倒でも、踏み台を使うことが大切。なお、踏み台は安定性がよく、両足がきちんと天板に乗せられる幅のものを選びましょう。

 

10:家具の配置を見直して、通路を確保

 

 家具などで通路が狭いと歩きにくいだけでなく、足下が見えにくくなる、家具の角に体をぶつけたり服を引っ掛けるなどしてけがをしやすくなります。思い切った”断捨利”で、部屋も心もすっきりと気分一新してみてはいかがですか?

 
 

 いかがでしたでしょうか。ここに挙げた10の方法は、いずれもお手軽にできるものばかり。ちょっとしたことで、転倒リスクは格段に減少します。ぜひこれらを参考に、家族みんなが安心して暮らせる自宅へと”変身”させてください。