重要な事です。 床のタイルや石等の滑りには油脂の種類やタイル、石等の床材の種類が関係している。

床のタイルや石が滑るのですがとのお問い合わせが数多く有るのですが・・・

必ず質問させて頂くことがあります。

タイル、石の種類は何ですか?

そのタイル、石の敷設されている所はどこですか?(例えば、お風呂の床、エントランス等)

建物の床が滑るのでと言われると、前面もしくは近くに道路が有りますか?その道路は幹線道路ですか?

1日に歩行者が何人位通行しますか?等を聞きます。

 何故そのような質問をさせて頂くかというと、近くに道路や駐車場が有る建物は車の排気ガスが滑る要因の大部分を占めているからです。排気ガスの成分には鉱物油が含まれており、それが年月と共にタイル、石の内部にある毛細管に他の埃等と一緒に蓄積しやがて毛細管が油や埃等で一杯になり表面に溢れ出してきます。そこに雨などで床材が濡れると滑りが発生します。

床材の種類や周囲の環境などを加味して適正溶剤を製造し施工します。

 スーパー銭湯、温泉、各施設のお風呂の床のタイル、石が滑る場合に関しては温泉なのかどうかを確認させて頂き、温泉だと温泉分析書を頂いて内容を確認し成分などから考え、利用者数、利用者の年齢層、日常の清掃状況、定期メンテナンスの状況を確認させて頂いてから滑り止め施工の方法、溶剤の選択、日常のメンテナンスを考えます。温泉でない場合は利用者数、利用者の年齢層、日常の清掃状況、定期メンテナンスの状況を確認させて頂いてから滑り止め施工の方法、溶剤の選択、日常のメンテナンスを考えます。

お風呂の場合は、利用者の年齢層と温泉成分が重要になります。利用者の一番多い年齢層によって床の状態が違います。また滑り方も違い、そこに温泉成分によっては溶剤が反応しない事もあります。

お風呂での滑る要因は、脂(体脂肪)、シャンプー、リンス、石鹼カス等です。それに水の成分(温泉成分)も関係します。タイルや石の内部の毛細管内に年月と共に脂(体脂肪)、シャンプー、リンス、石鹼カス等が蓄積しそれが一杯になって表面に溢れ出して来る事により滑りが発生します。

しかし、お風呂の場合は脂(動物性脂)の種類が違いタイルや石内部の毛細管内で固まってしまいます。それが、営業中お湯が流れると脂が溶け出し、溢れ出して来る。また、蓄積した脂が酸化発酵雑菌の餌となり、床の温度も雑菌が繁殖しやすい温度になるので衛生的にも非常に悪い環境です。

 滑るメカニズム、状況に応じた適正な溶剤を使用し滑りを止める、滑り止め施工後の日常メンテナンスを理解して滑り止め施工しないと、安全で衛生的な床にはできません。(床材の構成、汚れの種類、原因等を理解していなければ安全安心、衛生的、コストパフォーマンス良いという事にはなりません。)

 また、温泉分析書内のある温泉成分量によっては、エフロ、スケールで床や壁のタイルが白くなってしまう所も有ります。世間では、湯の花とか言っていますがただの汚れでありその汚れを落とす方法もわからない、技術もない結果がエフロ、スケールで白くなっているのです。これも理解して適正溶剤を使えば落とせます。

厨房タイルの床が滑る原因も油脂等です。厨房の場合はお店でメインで扱っている物によって、滑り方も対処方法も違うので、まずヒアリングさせて頂き滑る原因を突き止めタイルの種類も考えて適正溶剤を製造し使用して施工します。

床材と言っても大別するとシリカ系と石灰系にわかれます。

シリカ系については、1つの基本があります。フッ化物+酸という単純な基本です。

いまだに類似業者さんはこの単純な基本の中で頑張っていらっしゃいます。故にもっと強くとか弱くとか、反応時間に神経を使うことになるわけです。

 石灰系床材の組成構造、色彩、吸水性などは、成り立ちで各々変化があるのは当然で、その成り立ちを理解することが肝要です

それは困難であり、ある意味で時間と金を浪費することになりますが、これを克服しない限り次のステップ(段階)には進めません。

次に重要なのは、それぞれシリカ系床材の反応状態を知ることです。

フッ化物+酸」の単純な基本溶剤を塗ると過剰に反応し、シリカが露出し白っぽく仕上がってしまいます

滑りは十分に抑制されますが、見た目の変化が激しく、また汚れも付きやすくなってしまいます

 弊社の使用している溶剤は床材の種類、汚れや滑る状況等を勘案して適正溶剤を製造して使用しているので、もっと強くとか弱くとか時間とかを気にすることなく施工しています。適正な溶剤なので現場ごとに違い滑りもきっちり止まり、景観も変わりません。

ユーザーニーズは計り知れないほど多いものですし、ニーズが多いほどリスクは拡大するものです。

施工溶剤の選択」の意味はここにあります。

それぞれに性格の違う石材やタイルには、それに準じた「適合した溶剤」があってしかるべきであり、溶剤に強い弱いといった表現は不適切なのです。