滑りを抑制する条件を満たす床が、なぜ危険な状態になったのか?

 バーナー仕上げによって凹凸部分面積が大きくなり吸水性も高まります。
では、滑りを抑制する条件を満たしたはずの床が、何故に滑って危険な状態となったのか?

問題点は幾つかありますが、最も大きな要因は・・・

 さて男子浴場は、これから滑り止め溶剤を塗布する作業に入ります。まずは床材のすき間を広げるための溶剤の塗布からです(1次溶剤の塗布作業)。4~5分経過後、床のすき間に残留した物質を溶かすための溶剤の塗布(2次溶剤の塗布)と作業は続きます。

 2次作業が終わる頃、女子浴場の洗浄も終わる段取りです。ここまでは予定通り作業は進展しました。が、次の作業工程で発生するとんでもない出来事で、私は悩み苦闘することになってしまいます。

本当の敵は床の中にあり???

 2次溶剤塗布を終え、中和処理に入ります。中和剤を塗布すると同時に、裸足で効果の確認作業にかかります。予定では、この段階において本来バッチリ滑り止め効果を確認できるはずでした。が、結果は滑り止め施工する前よりヌルヌルの状態となってしまいました。それでも、滑りはそれなりに止まっています

 なぜ、滑り止め施工をしているのに施工する前より床がヌルヌルの状態になったのでしょうか?これが解からないと完全に滑りを止める事が出来ないし、その後、維持する事も出来ません。

さて、原因は何なのでしょうか?・・・

本来、吸水性高い床材は滑りにくいものです。

 先人の知恵というか、十和田石とか伊豆の若草石が昔から浴場の床に使われているのは、そのためだと私は考えています。今回の床材は御影石のバーナー仕上げで、その形状凹凸で滑りを抑制するために敷設されたものです。

施工は無事に終了しました。(^^♪